ひとまずカメの池

娘が知り合いの業者を入れて、裏庭の木々を切らせた。その枝を、業者がみんな持って行ってしまったので、私は何も工作ができなくて、庭はただ、太陽がぎらぎらして、土はたちまちのうちに砂漠のようになった。私は庭を作りたくて、一番大変なところは業者を入れてやってもらえばいいと言ったけれど、砂漠にしてしまえとは言わなかった。飼っていた4匹のカメが、行く場所に困ってコンクリートの床を這いずっている。あまりに極端なことをするんで、つきあっていられない。

松戸のうちは、崖崩れを治そうとして、切った木の枝を街中から集めて利用したんだ。すべての木の枝を持って行ってしまって、あとは瓦礫と乾いた土だけで、何かをしろと言われてもできない。何もないところから、創造できるのは神様だけだ。

ちょっと呆然としていた。

ところで、この前、主人と一緒に、歩いて行けるレストランのある植物園に行って「パニュエロ」と呼ばれる灌木の苗を買ってきた。私が時々絵にも描いているハンカチという意味の灌木。植えられる植物はそれしかないので、今何をするべきか、考えている。ひとまず4匹のカメのために、池を作らなければならないと思って、誰か、不要なベビーバスを持っている人いないかなと独り言を言っていたら、マリが少し大きめの黒い盥を買ってきてしまった。人が多いと、独り言をすぐに実行に移してしまって試行錯誤を許さないし、こう、どんどん先をやられると私の想像力が働かない。

それでも、今日ちょっとその気になったので、裏庭の土をほっくり返し始めた。瓦礫だらけ。道具もシャベルしかない。応急でパニュエロを植え、黒い盥を埋めたが、力尽きて途中で降参。それでもカメは水に入って泳いでいた。