naisentaiken’s diary

エルサルバドル内戦体験記

昔の記憶

11月21日

老人になると、つい最近のことはすぐに忘れるが、昔のことはやけに記憶がいいらしい。このところ予定していたことを、カレンダーに書き込んであったにもかかわらず、3件片っ端から忘れた。しかも、案外重要なことばかり。

11月6日に、骨粗しょう症の医者の予約が入っていた。其れを思い出したのは昨日のことだった。あわてて電話を入れたが、何だか規則によって、新たな予約ができないとのこと。それを婆さんの忘却癖を理由にねじ込んで、27日に予約を取り付けた。

11月9日は自治体の防災訓練日で、わざわざ参加を申し込んでおいたのに、忘れてしまった。今週がごみ当番で、ごみ当番は「当番表」が回ってくるから思い出し、ついでに自治体の仕事と聞いて、始めて防災訓練を忘れていたことに気がついた。でも、後の祭り。

11月11日はじじばばクラブの運動の日だったが、これも全く忘れていた。もう、いいや、と思った。

ところで、「昔のことなら記憶している」という例で、ほぼ半世紀も前に、スペイン滞在中に出会った子供たちのことがこのところやけに思い出された。死ぬ前にスペインに行って、会いたいなあと考えていたところ、ふと、出会った子供たちの一人の名前をおもい出し、フェイスブックで検索してみた。

スペイン滞在中、私はアルバイトで、ある小学校の子供たちに、英語を教えたことがある。教科書なんかないから、手作りで、ミニの家だの、家具調度品だの、人形だのをこしらえて英語会話の教材にし、教科書も手作りで教えた。スペインの学校の先生はやたらに厳しい。だから、子供たちは、手作り教材で、面白おかしく教える私の授業を楽しんだ。

当時の子供たちの写真がわずかに残っていて、探すなら、それが手掛かりになるかなと思って、数枚、スキャンしてみた。

さて、フェイスブックなら、正確な名前が必要だ。スペイン人の名前って、父母の姓と自分の名前が二つ、計4個の名前が並ぶ。50年も前の人名で、女の子だから、結婚次第で姓が変わっているはずだが、そのなかに、一人、スペインでは当たり前の名前とはいえ、姓があまり自分の知識の範囲を超えていたからから、記憶している子がいた。ものすごく頭がよくて、教えたことはその場で覚え、忘れない子だったからから、よく記憶している。別れるとき、その子を呼んで、1年間使った手製の教科書を手わたし、この教科書をあげるから、覚えた英語をお友達に教えてあげなさいよ、と言ったくらいだ。この子ならきっとやるぞと、教えていた私が思うくらい、すごい頭のいい子だった。

其の名を マリア デル カルメン テジェスという。其の妹はマリア テレサだった。カルメンは面長で、長い毛をポニーテイルにした、澄んだ目に特徴がある、すごく美貌の子だった。

なんとか、其のままの名を、スペルはあてずッぽで、フェイスブックで検索してみた。そうしたら、まあ、ボン!と出てきたのだ。しかも子供の時の面影が濃く残っている、「あの顔」そっくりの女性だった。面長で、きれいな目をしていて、髪型もそのまま「ひっつめ」にしているから、これだあああ!と思った。あれから50年たっているから、それなりの「成長」を遂げた顔だが、どうしても本物に見える。

おそるおそる、私はメールを書いた。ついでに当時の写真を3枚載せて、間違えていたらごめんなさい、無視してくださいと書いて送った。

返事は来ない。来たら面白い。ちょっと期待している。


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