naisentaiken’s diary

エルサルバドル内戦体験記

「この世で出会った動物たちの物語3」11月22日

「クジャクの子誕生」

チャボがいつもの通り、卵を抱いていた。その卵が手放したレイとレイナの卵だということを私は知っていた。チャボ以外の鳥は卵を産んでも、はじめから抱こうとせず、数がそろわないと、またはその気にならないと、抱き始めない。

ある時、チャボはレイナが生んで転がっていた卵をくちばしでかき寄せて、自分の胸の下に入れるのを私は見ていた。それが有精卵かどうかということは、私は知らなかったが、そのうちわかるだろう。抱いても抱いても生まれるはずの時期まで卵が生まれないと、親鳥はあきらめて立ってしまうからね。

 

ある朝、チャボが膨らんでいて、そして、こっこっこっこといつもと違う鳴き声でそわそわしているのを見た。お!

 

よくよく見たら、チャボの下でなにかが動いている。ちちちという雛の鳴き声も聞こえた。見てみないと、まだクジャクの子かどうかわからない。

 

それはまさしくクジャクの子だった。私だって初めて見たんだけれど、普通に鶏のひなは、体中羽毛でおおわれていて、翼になるはずのところが丸くて小さい。でも生まれたばかりのひなは翼の部分がしっかりしていた。3羽いる。孔雀の子だあ、と私は歓声を上げた。自分だって初めてだったから。

 

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しかもこの3羽のひなは、鶏の子供と違って、はじめから翼のしっかりした雛だったから、驚いたことに、赤ん坊のくせにスイスイ空を飛ぶんだ。親チャボは飛べない。だから親に任せておいたら、どこかにいなくなっても親が助けられないことを心配した私は、寝るときだけチャボに抱かせて、遊ぶときは家に入れて自分のそばに置いた。

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クレオとパトラとレイ2世↑

 

それで彼らは家の中で育って、私の後をついて回った。それがあるとき大失敗をした。

私はよく裁縫をしていたのだけど、私が裁縫する傍らで彼らはいろいろなものをつついた。レイ2世と名付けた雛が待ち針をつついていたのを見たので、危ないと思って取ろうとしたら、その子は抵抗して逃げ回り、待ち針を飲み込んでしまった。そうやってせっかく生まれた雛を私は1羽見送ってしまった。

 

それは3羽のうちのたった1羽の雄で、私がレイ2世と名付けた雛だった。

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レイ2世の最期↑

 

後の2羽はメスで、クレオとパトラと名付けて育てた。

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娘の友達が3羽のクジャクを背中に載せて面白がる風景↑

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かなり大きくなった。↑

 

でも、残った2羽はメスだったので、オスのような近所迷惑な声を出さなかったから、ずっと成長するまで一緒に暮らしていた。ただ、1羽はなんだか弱っていて、よくよく見たら、首から血を流していた。獣医を見つけて連れて行ったが、その獣医も孔雀なんか診察したことなくて、一応縫ってはくれたが、手に負えなかったらしくて、回復できず、死んだ。猫にやられたのかどうかわからないけれど、哀れだった。

 

そのうちエノクが定年になり、住んでいた社宅を引き払わねばならなくなって、「チャボや孔雀が住めるような庭のある家」を探し回り、松戸市の郊外のほとんど田園地帯の雑木林の奥に売り出していた中古の家を見つけてそこに移った。変な荷物ばかりだったから、近所の八百屋にトラックを借りて、クジャク1羽をだいて、箱に入れたチャボをのせて、現在の家にやってきてから、小屋を建設した。

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孔雀とチャボが住める小屋。↑

 

ただしその家は、人間様にとっては不便な環境の家で、常磐線の駅まで行くバスが1時間に1本しか出ない田園地帯だったから、近くにTXが開通するまでは常磐線の駅まで30分かけて歩いたもんだ。

孔雀のためとはいえ、もの好きにもほどがありますね^^。

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これ現在の家。エノクとクレオパトラがハンモックを楽しんでいます。