利根大橋から牛久沼へ

「利根大橋から牛久沼へ」
 
利根大橋を渡り切ると、やっと「我孫子市」が終わって取手市になったことが分かった。
 
とうとう取手市についたか、そう思った私は、燃料のランプを見た。まだ全部ついていて、少なくとも70%は残っていることが分かった。じゃあ、牛久まで行ってみるか…。利根川を見ただけでもかなり満足していたのだけど、どうせこの「旅」は燃料と距離の関係の実験だったんだ。今日は、燃料がどこで50%になるかまで見なければならない、と思って、もう少し先に行く気になった。
 
利根大橋いらい、ずっと、景色はのどかな田園風景で、朝の7時前後だったから、暑気に悩まされず、あまり疲れも覚えなかった。
 
途中、無人のガソリンスタンドでトイレを利用したけれど、公衆トイレを利用するたび、いつも主人を思い出す。
彼は、トイレによって日本を礼賛していた。日本ほど人の集まるところどこでも、トイレの整った設備を提供している国はないと言っていた。私が14歳のころから続けているドイツ人のペンパルが来日した時も、彼女は同じことを
いっていた。なんだか、日本が外国に誇れるのはトイレだけかい、なんて、こっそり考えている。
 
ただし、外国に行ってみれば、それが嘘じゃないことがよくわかる。

気持ちのいい旅だから、いろいろ見物気分で面白い地名などに感心しながら走った。その中で面白かったのが、「小浮気」。「こうわき」かと思ったら、「こぶけ」と読むらしかった。家に帰ってからネットで検索したら、「全国の珍しい地名」という項目で、出ていた^^。
 
しばらくしたら、また川があって、橋を渡った。その橋の名が「藤代橋」。欄干に藤の花があしらってある。いいな
あ、と思って、藤を眺めながら通過。
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それから突然、6号がせりあがって急カーブ。そこは車しか通れないらしいが、「牛久橋」と書かれている。おお!とうとう牛久についたか、と思いきや、その急カーブの車専用の道路の下に、自転車が通れる道がなくて、ちょっとあわてた。また、景色に見とれて、まずいことをやったらしい。
 
もう、人に聞くのが面倒で、立ち止まってしばらく人の動きを見た。それから何とか、下の道路を見つけて、その急カーブの下に出たら、そこに、牛久沼があった。
 
私は、小さな地図で探したから、牛久沼は常磐線の佐貫にくっついているものと思って、佐貫という地名を探したが、別に佐貫に行かなくてもよかったらしい。
 
あっけなく到着した牛久沼を見たら、そこに、ハクチョウが泳いでいた。周りの看板にはウナギが踊っている。牛久はウナギの産地だっけ。知らなかった。いつか誰かと食べに来ようかな。
 
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燃料を見ると、まだ50%以上残っている。へえ・・・。時計を見ると、7時半。家を出てから3時間だった。走った距離は30キロくらい。じゃあ、帰りの30キロの燃料は、あるんだ。
 
バナナを食べ、アクエリアスを飲み、胡瓜を食べ、乾パンをかじった。しかし、乾パンは、今の私には食べられないと、わかった。若かったころの登山で、携行食糧は乾パンときまっていた。だから、この自転車旅行も、くせで、私は乾パンを買いこんだ。
 
しかし、今の私には、乾パンは噛み砕いても飲みこめない。「乾」パンだけあって、乾きすぎている。婆さんには無理だ。これからは、梅干し入りの握り飯を作ってこよう。
 
帰路、ほとんど何も考えないで走った。
 
ところが、道程を中ほど過ぎたころ、太陽はすっかり高くなって、体は寒気がするほど暑くなってきた。危険だぞ!
 
そこで、手持ちのアクエリアスを何度も飲み、凍らせた手拭いで人目も恐れず、体を拭いた。帽子の中に、保冷剤を入れ、脇を冷やし、ズボンに手を突っ込んで保冷剤で足の付け根を冷やした。これ、テレビで仕入れた熱中症予防の知識^^。
 
速く、いつものけもの道に入りたかった。しかし、焦れば焦るほど、涼しいところは遠く感じ、物事が思い通りにならないと、今度はやたらに運転のバランスを崩した。
 
そういう時に、細い歩道に高校生の乗った2台の自転車が並んでこちらに向かってきた。よけようとしたら、二人は狭いところを両側に分かれ、いくら考えたって、走れなくなった。仕方がない、段差のあるところでまずかったが急ブレーキをかけたら、二人はぶつかってきて、とうとう、私の自転車は倒れてしまった。
 
それから・・・。
 
自転車が壊れた。
 
漕ぐと、がきんがきんと音がする。燃料は最後の赤いランプが残っている。危ないと思って、6号を離れた。道を知っていようといなかろうと、直射日光の照らす、通行人が多くなった6号で、競り合いながら走ることができるような状態じゃない。
 
もう、10時になんなんとしていた。迷いに迷って、やっと「免許センター」を見つけ、家に駆け込んだのが、10時半。かろうじて、燃料が持った。水風呂に入り体を冷やした。風呂から指を出すと、指のほてりがカッカと感じられた。水中の体が水風呂の水を沸かしていると感じるほど、熱中症、一歩手前になっていた。
 
自転車屋に修理を頼み、修理代が5000円。後ろの車輪がひとつ壊れていた。