naisentaiken’s diary

エルサルバドル内戦体験記

時事放談3

CMが世の価値観を作る。

もっともいらいらさせるのが、自分の経てきた人生になんの誇りもなく、年をとったことを恥じて嘆いて、若返りしたいしたいと過ぎた昔を取り戻したいと愚痴を言い、若い人に俺はまだ若いやつに負けないと、強がって見せたりする男、化粧まみれになって皺をかくし、白髪を真っ黒に染め上げ、肌のしわの溝にクリーム流しこんで見た目をごまかし、顔の表面にはあらゆる化粧品を試しまくって、一所懸命年齢を隠して化けて苦しんでいる妖怪女。

こういう「若さ」に対する執着に苦しむ餓鬼道を作っているのは、化粧品会社のCMらしい。

そのCMの中には、小学生が、しわだらけの親が授業参観することを拒んだり、年齢相応の顔になった母親を見られるのが恥ずかしいと言って友達が来るのを拒んだりするのもある。実に子供の心にまで、母親でも女は年をとってはならず、いつも20代の肌を保ち、皺が1本できれば、学校に来てもほしくないし、友人にみられるのも恥ずかしいはずだという価値観を植え付ける。

まったくとんでもないことだ。

30になったらもう駄目みたいな、SK2とかいう化粧品のCMがあって、CMに使われているその女性は、あの妖怪風のどろんとした態度で、女性にとって、いかに年をとることが存在不要の階段を駆け降りることであるか、もう、毎日毎日語り続ける。

そして、もっとみっともないのが、現実にそこいらにうようよ、そういうCMに乗って、年齢と人間の価値は反比例するみたいに、気の毒がったり、からかったりする下衆な人間がうごめいていること。

そういうやつは、私が69歳であるということがもう、存在すること無用であると思っていて、死んでもいいのに動いているのがいらいらさせるらしい。

そういうやつに限って、偽善者が多く、草むしりしても、ちょっと自転車で走っていても、いたわるふりして、気をつけて~~とか、無理しないで~~とか、年を考えて~~とか、そんなに頑張って大丈夫ぅ?とか、他人の行動をけん制するようなことばかり言う。

私は自分の生に責任を持って生きているだけで、頑張ってなんかいない。気がつくすべてのことを気をつけて、危ないぞと自分で感じたら、さっさと行動を中止するくらいの自己管理はできる。実は本気で他人の体をいたわったりするほど、洞察力のない人間から、余計なお世話はうるさいだけだ。

ああいう価値観は、すべて化粧品会社のCMが作り上げているだけで、何を塗りたくっても、歳を重ねた人の人生をいとおしいとも思わなず、誇りも持たず、年齢をごまかしたり、若いもんに負けないなんていている爺婆は、ほんとにごみになっちまえ。

そういうCMに育てられた連中は、年取った親は価値がないから姥捨て山同然の施設に送り込み、施設が焼けて親が焼け死んだら、「ほっと」したりするらしい。「ほっと」するのが普通よ、なんて、いかにも自分が「普通の人間」みたいな発言をとあるチャット部屋で聞いて以来、私はその「普通の女」を許せない。

最近のニュースによると、死んだ親を弔うこともせず、死体に年金を稼がせ、死んだじじばばの価値は死んでも自分のために稼ぐことくらいに考えた一家がなんだか、逮捕されたらしい。世の中の「本音の」価値観が「形」をとると、そうなるのは、案外当たり前の現象さ。むしろ、人間が骨になっても使い物になることを証明してくれた一家として、国民栄誉賞でも授与するべきなんじゃないかね。