カンニングの青年に

大学受験のカンニングの話が、かなり大げさに取り沙汰されている。かつて延べ7年間浪人生活をした3人の兄姉をもち、受験に苦しんだあげく、国外に出て家族離散の原因となった娘を持つ私には、この話は、人ごととして冷淡な感想は、言えない。

まだ19年しか生きていない一人の青年の人生だ。問題であることは、確かだが、浪人して苦しんだ揚句の、何としてでも突破したい思いからの誘惑だったのだろう。私は記憶する限り不正などしたことがないけれど、だからといって、この青年に、面白半分に石を投げる民衆の側には立てない。

考えていた道を変えざるを得ない結果になったと思うけれど、自分にあった別の道を見つけて、なんとしても生きて行ってほしいと祈るばかり。黙って傍にいてやりたいほどに、無関係の私は、心を痛めている。